勉強していなかった元首相小泉の大罪

平成13(2001)年10月8日、
時の小泉純一郎首相は訪中し、
江沢民国家主席らとの会談に先立って
北京市郊外の盧溝橋と
「中国人民抗日戦争記念館」を視察しました。

その際記者団の質問に
小泉首相はこう答えました

「犠牲になった中国の人々に対し、
 心からのお詫びと哀悼の気持ちを
 もって展示を見た。
 2度と戦争を起こしてはならない。」

この言葉には、
「戦争を起こしたのは日本」
という前提が感じられます。

悪かったのは日本だと——。

渡部昇一先生は生前、
この小泉首相の言葉に対しこう語りました。

〈この訪中は、首相が「いかなる反対があろうとも実行する」と公約した靖国神社への参拝を、八月十五日ではなく二日早い十三日に"前倒し"して、心ある日本国民の失望と中国の反発の両方を買った年の秋ですが、国民には詫びなくとも、中国の反発に対しては帳尻合わせに行ったようなものだと私は思っています。
日本の首相が盧溝橋や抗日記念館を訪れたのは平成七年の村山富市首相(当時)以来二人目ですが、小泉さんは、「過去の歴史をよく勉強することで反省し、将来、反省を生かさなければならない」としたうえで、「日中友好はアジア全体、世界全体にとっても大事な二国間関係だ」と強調しました。しかし、過去の歴史をよく勉強してもらいたいのは小泉さん自身です。〉(『日本を蝕む人々』PHP研究所、平成17年刊)